ウィスキーログ

ウィスキーのいろいろ

糖化(マッシング)

麦芽から麦汁(ワート)を作る工程を糖化(マッシング)という。

1.麦芽の粉砕

モルトミルと呼ばれるローラーが付いた装置で麦芽を粉砕する。粉砕された麦芽をグリストと呼ぶ。

グリスとは麦芽を挽いた後の粒の大きさによって3種類に選別される。その比率は2:7:1の割合で次の3種類に別れる。

  • ハスク 1.4mm以上
  • グリッツ 1.4〜0.2mm
  • フラワー 0.2mm未満

ハスクは麦芽の殻の部位も含まれていて、麦汁を濾すときのろ過材として使用される。

2.糖化

グリストと仕込み水を混ぜあわせ、おかゆ状にしたものをマッシュタンと呼ばれる糖化槽に投入する。その比率はグリスト1に対して仕込み水4程度。糖化酵素が活性化する約65度の温度を保ちながら、機械で撹拌する。

このとき、酵素反応により麦芽中のデンプンが糖へ、タンパク質がアミノ酸になる。

3.抽出と冷却

糖化が終わったワートをマッシュタンから濾過抽出し、20度前後に冷却する。これは次の発酵の工程でワートへ酵母を投入するが、糖化時の温度である60度だと酵母が死んでしまうため、酵母が活動するに最適な温度へ調節しておく。

冷却にはヒートエクスチェンジャーと呼ばれる装置を利用する。以前は水平式のオープンワーツクーラーが利用されていたが、近年は垂直型のラジエーター方式のヒートエクスチェンジャーに置き換わっており、省スペース化されている。

ビール造りの場合はワートを熱処理して殺菌するのに対して、ウィスキーは熱処理せずに発酵をするためワート内の微生物や残った酵母は発酵の過程でも影響を与える。