ウィスキーログ

ウィスキーのいろいろ

蒸留(ディスティレーション)

発酵液(モロミ)を蒸留してアルコールの度数を高めると共に、雑味を取り除く工程。蒸留された状態のウィスキーはニュースピリッツと呼ばれる。

1. 蒸留

水とアルコールの沸点の違いを利用し、アルコールのみが気化する温度で加熱し、気化して上昇したアルコールを冷却して再び液体に戻る。 水が100度で沸騰するのに対して、アルコールは78.3度と沸点が低い。

モルトウィスキーの場合はポットスチルと呼ばれる単式蒸留器を利用する。グレーンウィスキーやバーボンなどは連続式蒸留機で蒸留する。単式蒸留器は蒸留のたびに都度モロミを充填するが、連続式蒸留機は徐々にモロミを追加していくことで蒸留を行う特徴がある。

蒸留機の加熱には直火式と関節加熱の2種類がある。直火式はガスや石炭を利用して直接蒸留器を過熱する昔ながらの方法で、1000度の高温で過熱することで熱反応から香ばしいフレーバーがウィスキーに宿ると言われている。間接加熱は蒸気を流すスチームパイプを熱源としてアルコールを過熱する方法。直接焚きに比べると処理温度が低いため、ウィスキーは軽くスッキリとしたフレーバーになる。

スコッチの場合は基本的には2回蒸留を行う。1回めを初留、2回めは再留と呼んでいる。

2. 冷却

加熱されて気化したアルコールが向かう先には冷却装置が取り付けられていて、冷却されることで再び液体に戻る。以前は水を張った桶の中に蛇状の管を配置し、そこを通過させることでアルコール蒸気を液体に戻していた(ワームタブ方式)。タリスカー蒸留所では現在もワームタブ方式を採用している。現在は冷水が通る無数の管の表面に接触させることでアルコールの蒸気を冷却するシェル&チューブ式が主流である。