ウィスキーログ

ウィスキーのいろいろ

製麦(モルティング)

ウィスキーを造るための最初の工程、を製麦(モルティング)という。

収穫

ウィスキー用の大麦には春大麦を8月下旬頃に収穫する。自然乾燥後、1−2ヶ月間保管して発芽の準備期間を設ける。この期間を休眠期間「ドーマンシー」という。その後の吸水や発芽の速度を安定させるため、粒の大きさを揃えておく。(選粒)

浸麦(しんばく)

スティープと呼ばれる浸麦槽で麦粒に仕込み水を吸収させる。数時間ごとに空気にさらしては吸水させる作業を繰り返し、麦の含水率を45%ほどまで調整。これにより発芽が可能な状態となる。

発芽

発芽床へ麦を移し、一定の温度に保ちながら撹拌させ発芽させる。この工程で麦の中のデンプン糖化酵素が活性化し、芽を成長させつつデンプンを糖へを変える。発芽には人の手により撹拌させるフロアモルティングという方法と機械で撹拌する方式の2種類がある。

乾燥

糖化させるのに最適な状態で麦芽の成長を止めるために乾燥させる。乾燥にはピートや無煙炭を使用する。ピートで乾燥させることで麦芽に独特の香味成分が入り込み、ウィスキーの個性が作られていく。ピートのみで乾燥させると薫香が強すぎるため、途中で無煙炭に置き換える。

除根

乾燥した麦芽が水分を再吸収するのを防ぐために、根を取り除く。モルトスクリーナーと呼ばれる脱根機を利用する場合もある。取り除かれた根はモルトカムと呼ばれ、栄養価が高いため家畜の飼料等に利用される。